大学進学の為に上京して以来、元々好きだったジャニーズのコンサートに通うようになりました。
上京前も数回は行っていたのですが、地方都市で開催されることは少なく、見に行く為には近隣の大都市まで遠征しなければなりません。
高校生には交通費を捻出するのも厳しく親の目もあったので、年に1~2回程度参加するのが精一杯。
でもそういうものだと思っていたし、実際それで満足していたのです。
しかし東京では様々なグループがコンサートのみならず、舞台やイベントも行っています。
地方で暮らしていた身には天国のような環境です。
いわゆるオタク友達も増え、地方への遠征を含め数多くの現場へ足を運ぶようになりました。
とはいえこの頃はまだ、月々のアルバイト代でまかなえていました。
クレジットカードも保有していなかったし、デビューしているグループばかりを追っていたので定価のチケットしか購入していなかったことが大きな理由です。
状況が変わってしまったのは就職後でした。
定職に就いたことでクレジットカードを作れるようになったこと。
これが私には負のスパイラルを生む元凶となりました。
またその頃にはデビューしたグループではなく、ジャニーズJrというデビュー前のアイドルを追うようになっていたのも借金に追われる理由となったのです。
デビューしているグループであれば年間のコンサート数は大した件数ではありません。
勿論全国を回ればそれなりの金額になりますが、正規に購入したチケットであれば10公演分を買っても10万を超えることもない程度です。
しかしJrはそうはいきません。
複数のグループのコンサートや舞台にバックとして出演するので、その度に全て見に行くと年間半分以上になることもザラです。
何故それほどまでに入りたくなってしまうのか?
Jrはデビューしたグループのタレントより距離が近く、直接手紙を渡したりする機会もあります。
その為、顔を覚えてもらえるとコンサート中でも顔を見るだけで手を振ってくれたり名前を呼んでくれたりするのです。
それが嬉しくてもっと入りたい、もっと近くにいたいという欲望の塊に。
ホストに入れ込むのと同じ仕組みです。
向こうは営業の一環なのに、こちらは疑似恋愛に陥っているのですから。
チケットも正規のものをそれだけ揃えられる訳がありません。
人から譲ってもらう、チケット転売サイトで購入することになります。
しかも前列でなければ意味がないので人気公演では10万、20万と出すのが当たり前になりました。
麻痺していくのです、周りに似たような人も多くライバル心も生まれたりしてしまうと尚更です。
クレジットカードで購入することがほとんどなので、お金を使っている感覚が乏しいまま限度額の50万円を使いきり、別のカードを作ってはリボ払い。
月々の支払いは少額なので、気づけば300万の借金を背負っていました。
300万という数字を確認した時はさすがに驚きました。
リボ払いで麻痺していましたが、金利は15%程度つくので毎月の返済が少なければ増えていくのは当然です。
しかし当時の自分はそんな仕組みもろくに考えず、いくら使っても毎月の返済は少なくて済む等と能天気に考えていたものです。
それからは返済額を上げ、ひたすら借金を返すことに精を出しました。
計算すると返済までに20年程かかり、500万円の借金を払うことになると気付いてから、さすがに目が覚めたのです。
周りにも内緒で夜のバイトも始め、何でこんなことやっているんだろうと心底自分に嫌気がさしたこともあります。
でもその気持ちがバネになり、1年半で返済することができました。
今はクレジットカードを封印し、必要なものは現金で購入するようにしています。
アイドルを追うことも辞めました。
ほどほどに応援出来ないタイプはのめり込まない方が良い世界と分かったので、きっぱり辞めないとまた同じことになってしまいますから。
身にしみたことはリボ払いの怖さ。
楽に返せますよ、と軽く謳い金利をむさぼるカード会社に騙されて借金を負わないよう気をつけて下さい。
自分のようによく考えないタイプは騙されます、親から子供に教えることも大切です。